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名古屋の夏が厳しいのは、最高気温が全国で最も高いからとは限りません。同じ気温でも、湿度が高く、風が弱いと汗が蒸発しにくくなり、まとわりつくような暑さを感じます。
気温が高くじめじめとした気候。本当に厳しい暑さになるのが名古屋の夏だったりします。
名古屋では、高い気温に加えて、湿った空気、強い日差し、道路や建物に蓄えられた熱などが重なることがあります。そのため、天気予報の数字を見たときよりも、実際に外へ出たときのほうが暑く感じることがあるのです。
名古屋が蒸し暑いのは気温以外の条件も重なるため
蒸し暑さは、気温だけで決まるものではありません。名古屋市は、熱中症が発生しやすい環境条件として、次のような要素を挙げています。
- 気温が高い
- 湿度が高い
- 風が弱い
- 日差しが強い
- 急に暑くなった
特に湿度が高い日は、かいた汗が蒸発しにくくなります。汗は蒸発するときに体の熱を逃がすため、乾きにくい環境では体温を下げにくくなり、気温以上の暑さを感じます。
さらに、風が弱いと体の周囲にある暖かく湿った空気が入れ替わりません。名古屋の蒸し暑さは、ひとつの原因ではなく、高温、多湿、弱い風、強い日差しなどが組み合わさって生じると考えると分かりやすいでしょう。
名古屋で蒸し暑さを感じやすい4つの理由

夏に気温が高くなりやすい
気象庁の1991~2020年の平年値では、名古屋の7月は平均気温26.9℃、日最高気温の平均31.4℃です。8月になると平均気温は28.2℃、日最高気温の平均は33.2℃まで上がります。
日最低気温の平均も7月は23.5℃、8月は24.7℃です。昼間だけでなく、夜になっても気温が十分に下がらない日が多くなるため、朝から暑さを感じたり、夜に寝苦しくなったりします。
※1991~2020年の平均では日最高気温の平均は33.2℃ですがここ数年は35度を当たり前のように越えてきます。温暖化が進んでいる証拠ともいえますね。
湿った空気が入ると汗が乾きにくい
名古屋の夏は、南寄りの風が多くなる時期があります。気象庁の平年値では、6月から8月にかけての最多風向は南南東です。
南側には伊勢湾があるため、風向や気圧配置によっては海側から湿った空気が流れ込みます。空気中に含まれる水分が多いと汗が蒸発しにくくなり、肌にまとわりつくような不快感が強まります。
名古屋の平均相対湿度は、6月が71%、7月が73%、8月が69%です。7月は8月より気温が低くても、湿度の高さによって蒸し暑さを強く感じる日があります。
ただし、海に近いから毎日同じように湿度が高くなるわけではありません。実際の蒸し暑さは、その日の風向、降水、日差しなどによって変わります。
濃尾平野では暑い空気が広い範囲に残ることがある
名古屋市は濃尾平野に位置しています。勢力の強い高気圧に覆われ、風が弱く、強い日差しが続く日には、濃尾平野の広い範囲で気温が上がることがあります。
気象庁が2007年8月16日の高温を分析した事例では、15時に35℃以上の高温域が濃尾平野一帯へ広がり、20時になっても31℃以上の地域が広く残っていました。
この日は、都市化の影響だけが高温の原因だったわけではありません。気象庁は、もともと最低気温が高かったこと、高気圧に覆われて風が弱かったこと、強い日射を受けたことなど、自然の条件による影響も大きかったと分析しています。
「濃尾平野だから必ず熱がこもる」と単純に説明するのではなく、気圧配置、風、日差しなどが重なったときに、高温が広い範囲で続くことがあると捉えるのが適切です。
道路や建物にたまった熱が夜まで残りやすい
名古屋のように建物や舗装された道路が多い都市では、ヒートアイランド現象も暑さに影響します。
アスファルトやコンクリートは、日中に太陽から受けた熱を蓄えます。その熱が日没後も放出されるため、市街地では夜になっても気温が下がりにくくなることがあります。建物や車、空調設備などから出る人工排熱も、都市の気温に関係する要素です。
気象庁によると、大都市では長期的に気温が上昇しており、特に日最低気温の上昇率が大きい傾向があります。地球温暖化だけでなく、都市化による影響も表れていると考えられています。
ただし、名古屋の蒸し暑さをすべてヒートアイランドだけで説明することはできません。日中の高温には、高気圧や日射、風などの自然条件も大きく関係します。

名古屋で特に蒸し暑くなりやすいのはいつ?
梅雨は気温がそれほど高くなくても蒸し暑い
梅雨の時期は曇りや雨の日が多く、真夏ほど気温が上がっていなくても湿度が高くなります。
名古屋の6月の平年値は、平均気温23.0℃、平均相対湿度71%です。気温だけを見れば8月より低いものの、汗や洗濯物が乾きにくいような湿った空気を感じる日があります。
梅雨時は「30℃を超えていないから大丈夫」と考えず、湿度や風も確認しましょう。
真夏は高温・日射・湿度が重なりやすい
7月下旬から8月は、気温の高さに強い日差しが加わります。日なたでは太陽から直接受ける熱だけでなく、道路や建物からの照り返しも受けます。
8月は7月より平均相対湿度が低いものの、平均気温と日最高気温は高くなります。そのため、湿度の数字だけを見て「7月より過ごしやすい」とは判断できません。
雨上がりや風の弱い日は体感温度が上がりやすい
雨がやんだ後は空気や地面に水分が残り、日差しが戻ると急に蒸し暑く感じることがあります。
また、風が弱い日は汗が蒸発しにくく、体の周囲に熱が残りやすくなります。気温が同じでも、風がある日とない日では体感が変わるため、外出前には風速も確認しておくとよいでしょう。
夜も気温が下がらない日は寝苦しくなりやすい
日中に暖められた道路や建物から熱が放出されると、日没後も暑さが残ります。湿度が高い夜は汗も乾きにくく、気温の数字以上に寝苦しく感じることがあります。
特に昼間の気温が高く、夜も風が弱い日は、窓を開けるだけでは室温が下がらない場合があります。

名古屋の蒸し暑さは気温だけで判断しない
名古屋で外出するときは、予想最高気温だけでなく、湿度、風、日差し、暑さ指数も確認しましょう。
暑さ指数は、気温だけではなく、湿度と地面や建物などから受ける熱も取り入れた指標です。名古屋市は、暑さ指数が28℃を超えるときは特に熱中症に注意するよう案内しています。
外出前は、次の項目を確認すると、その日の蒸し暑さを判断しやすくなります。
- 最高気温と外出する時間帯の気温
- 湿度
- 風速
- 日差しの強さ
- 暑さ指数
- 熱中症警戒アラートの発表状況

蒸し暑い日は、通気性のよい服装を選び、飲み物や汗を拭くものを用意しておくと安心です。日なたを長く歩く場合は、帽子や日傘も役立ちます。
気温がそれほど高くない日でも、湿度が高く風が弱ければ体に熱がこもりやすくなります。天気予報を見るときは、気温の数字だけで判断しないことが、名古屋の蒸し暑さに備えるポイントです。
名古屋の蒸し暑さに備える簡単な熱中症対策
名古屋の蒸し暑い日は、汗が蒸発しにくく、体に熱がこもりやすくなります。気温がそれほど高く見えない日でも、湿度が高く、風が弱いときは油断できません。
外出時だけでなく、自宅で過ごす場合も、次のような基本的な対策を心がけましょう。
のどが渇く前に水分をとる
水分は、のどの渇きを感じる前から、こまめにとることが大切です。外出前にも水分をとり、移動中に飲めるよう、飲み物を持って出かけましょう。
たくさん汗をかいたときは、水分とともに塩分も失われます。その場合は、スポーツドリンクなども選択肢になります。ただし、日常的に塩分を過剰にとる必要はありません。
環境省も、涼しい環境で過ごすことに加え、こまめな休憩と水分・塩分補給を呼びかけています。
日差しを避けて涼しい服装を選ぶ
屋外では、帽子や日傘を使い、できるだけ日陰を歩きましょう。通気性がよく、汗を吸いやすい服や、乾きやすい服を選ぶことも有効です。
名古屋市も、通気性がよく、吸湿性・速乾性のある服装をすすめています。暑い日の長時間の外出や激しい運動は避け、途中で涼しい場所に入って休憩しましょう。
室内では無理をせず冷房を使う
室内にいても熱中症になる可能性があります。特に、風通しが悪く、日差しが入りやすい部屋では、夜になっても室温が下がらないことがあります。
我慢せずにエアコンや扇風機を使い、カーテンやすだれで直射日光を遮りましょう。扇風機だけで暑さをしのげない場合は、冷房を併用することが重要です。
暑さ指数や警戒アラートを確認する
外出前には、最高気温だけでなく、暑さ指数や熱中症警戒アラートも確認しましょう。
暑さ指数が高い日は、予定を短くする、外出時間をずらす、屋外での運動を控えるなど、行動そのものを変更する必要があります。環境省の熱中症予防情報サイトでは、名古屋を含む各地域の暑さ指数を確認できます。
めまい、頭痛、吐き気、強いだるさなど、普段と違う体調の変化があれば、無理に移動を続けず、涼しい場所で休みましょう。自力で水分をとれない、呼びかけへの反応がおかしいといった場合は、ためらわず救急車を呼ぶ必要があります。