毎年更新が行われている最低賃金の改定。ここ数年で時給1000円を超える都道府県も出てきましたね。
記事を書いている段階ではまだ改定されていないのですが、引き上げ額の目安に応じて各地で毎年話し合いが行われます。
ここ数年は増加傾向で動向をチェックされている方も多いのではないでしょうか?
最低賃金未満で働いていた…なんて事のないよう最低賃金2023~2024についてチェックしていきましょう。
目次
最低賃金は2023年10月に改定
まず抑えておきたいポイントとして、最低賃金は毎年10月頃に改定されます。
県によって日にちにばらつきがありますが、基本的には2023年10月に最低賃金が改定されると思って良いでしょう。
もし10月になって最低賃金が更新された際に最低賃金よりも低い時間帯賃金の場合は一度勤務先に確認してみましょう。
最低賃金の決定方法について
最低賃金を決めるには
①労働者の生計費
②労働者の賃金、
③通常の事業の賃金支払能力
3つの要素を定めるものとして最低賃金法第9条に定められています。
中央最低賃金審議会にて2022年の最低賃金は全国平均で31円を目安に引き上げ、時給961円を目安にとなりました。
これは前回に引き続き過去最大の引き上げとなりました。例年この傾向が続いており2023年も増加傾向と考えております。
最低賃金の2023~2024年の一覧について
記事を書いている段階(2023年6月30日時点)ではまだ引上額は決まっておりません。
例年通りであれば審議が7月頭に引上げ額の目安となる審議が行われ7月末頃に引き上げ額の目安が公開されてそれを元に各都道府県答申を行い2023年10月に改定されるといった感じですね。
まだ話し合いが行われていないので2022年改訂分を記載。答申が行われるあたりから記事を更新していきます。
2023年に全国加重平均額が1000円に?
あくまで可能性の話ではありますが、
岸田文雄首相は3月15日、首相官邸で政府と経済界、労働団体の代表者による「政労使」の会議に出席した。最低賃金の全国加重平均を2022年の961円から23年に1000円へ上げる目標を示した。非正規雇用も含めた幅広い賃上げを訴えた。
と話しておりもし目標通りであれば39円の引上げと過去最大の引上げとなります。
※7月28日追記
中央最低賃金審議会による話し合いが決着し2023年度の全国加重平均の目安は時給1004円となりました。
前々から言われていましたが大台の1000円を越えてきましたね。前年度から41円の引上げで引上げ額は過去最高となります。
※加重平均は労働者数を計算に反映させ、1人当たりの平均値を算出する方法であり、全国的には1000円を越える県はまだ多くないので注意。詳しくは↓記事参照
目安が決定したので今後各都道府県で答申が行われ最終決定が行われます。目安通り上がるのであれば以下の通り
※8/18日追記 全ての答申が出揃ったので更新しました。
都道府県名 | 2022年改定時 | 2023年改定 | 前年度との差 |
北海道 | 920 | 960 | 40 |
青森県 | 853 | 898 | 45 |
岩手県 | 854 | 893 |
39 |
宮城県 | 883 | 923 |
40 |
秋田県 | 853 | 897 |
44 |
山形県 | 854 | 900 |
46 |
福島県 | 858 | 900 |
42 |
茨城県 | 911 | 953 |
42 |
栃木県 | 913 | 954 |
41 |
群馬県 | 895 | 935 |
40 |
埼玉県 | 987 | 1028 |
41 |
千葉県 | 984 | 1026 |
42 |
東京都 | 1072 | 1113 |
41 |
神奈川 | 1071 | 1112 |
41 |
新潟県 | 890 | 931 |
41 |
富山県 | 908 | 948 |
40 |
石川県 | 891 | 933 |
42 |
福井県 | 888 | 931 |
43 |
山梨県 | 898 | 938 |
40 |
長野県 | 908 | 948 |
40 |
岐阜県 | 910 | 950 |
40 |
静岡県 | 944 | 984 |
40 |
愛知県 | 986 | 1027 |
41 |
三重県 | 933 | 973 |
40 |
滋賀県 | 927 | 967 |
40 |
京都府 | 968 | 1008 |
40 |
大阪府 | 1023 | 1064 |
41 |
兵庫県 | 960 | 1001 |
41 |
奈良県 | 896 | 936 |
40 |
和歌山県 | 889 | 929 |
40 |
鳥取県 | 854 | 900 |
46 |
島根県 | 857 | 904 |
47 |
岡山県 | 892 | 932 |
40 |
広島県 | 930 | 970 |
40 |
山口県 | 888 | 928 |
40 |
徳島県 | 855 | 896 |
41 |
香川県 | 878 | 918 |
40 |
愛媛県 | 853 | 897 |
44 |
高知県 | 853 | 897 |
44 |
福岡県 | 900 | 941 |
41 |
佐賀県 | 853 | 900 |
47 |
長崎県 | 853 | 898 |
45 |
熊本県 | 853 | 898 |
45 |
大分県 | 854 | 899 |
45 |
宮崎県 | 853 | 897 |
44 |
鹿児島県 | 853 | 897 |
44 |
沖縄県 | 853 | 896 |
43 |
全国加重平均額 | 961 | 1004 | 43 |
各都道府県に適用される目安のランク
ランク | 都道府県 |
---|---|
A | 埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪 |
B | 北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡 |
C | 青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄 |
目安のランクに応じて異なる(Aランク41円、Bランク40円、Cランク39円。)
県事に目安は異なりますが、2023年の改定は目安よりも大きく答申されるなど目安に囚われずに引上げを行う県が多い印象でした。
2022年に引き続き2023年も最低賃金が大幅更新
2022年に引き続き2023年も過去最大の引上げでしたね。
物価の高騰が原因だとは思われますが、企業側も相当反発していたと思われます。
上記でも軽く記載しましたが、最低賃金の決め方については
地域別最低賃金は、(1)労働者の生計費、(2)労働者の賃金、(3)通常の事業の賃金支払能力を総合的に勘案して定めるものとされており、「労働者の生計費」を考慮するに当たっては、労働者が健康的で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮することとされています。
とされています。2020年が据え置きとされたのは
(3)通常の事業の賃金支払能力を総合的に勘案して定めるもの
の部分が大きく影響したに違いないでしょう。その傾向が2021年も続いているように感じたのですが、予想に反しての引上げが2022年も続いた感じでした。
最低賃金の過去の引上げについて
ここ数年の最低賃金の全国平均の改定額についてですが、
改定年度 | 改定額 | 引上げ額 |
---|---|---|
2018年 | 874円 | 26円 |
2019年 | 901円 | 27円 |
2020年 | 902円 | 1円 |
2021年 | 930円 | 28円 |
2022年 | 961円 | 31円 |
2023年 | 1004円 | 43円 |
となっています。2020年はほぼ据え置きですがここ数年は引上げ額が過去最大と取り上げられる程上昇していますね。
2023年は1000円へ上げる目標を示した通りとなりましたので引上げ額としても例年に比べても大きく引上げされる形となりました。
厚生労働大臣提出資料による経済財政運営と改革の基本方針2021において
「より早期に全国加重平均1000円とすることを目指す」
参考資料:厚生労働省 厚生労働大臣提出資料より
としておりここ数年はコロナ禍でありながら最低賃金は上昇してきました。
1000円を越えた後最低賃金が今後どうなっていくかも注目です。
そもそも最低賃金とは
そもそも最低賃金がどういったものかよくわからないって方の為にざっくりと説明させていただくと
「最低賃金法によって国が定めた賃金の最低額のこと」
つまり使用者がパートやアルバイト、社員に最低賃金を上回る支払いをする必要があるといった感じですね。
例として東京の最低賃金は1072円ですが、時給1071円以下で働かせる事は違法となります。
もちろん改定後に最低賃金の引上げとなった際は上がったタイミングで変えなければ違法となります。(試用期間中は減額特例制度により例外)
パートやアルバイトさんはもし最低賃金額より時給が低い場合は雇用主に確認しておきましょう。
最後に
最低賃金2023~2024の全国の一覧について紹介しました。
都道府県によって日にちが違いますが、最低賃金は2023年10月から引き上げられます。
賃金が改定された際は実際に勤務先の時給が上がっているか確認しましょう。