全然という言葉を前におく言葉としてたまに耳にする「全然大丈夫。」
何か違っているなぁとは思いつつも、使っているという方も。敬語が必要な際にも使っている方もたまに見かけますね。
ただそもそも全然大丈夫ですという言葉は間違っているのか?また目上の方などの際に適切な言葉について確認していきましょう。
全然大丈夫ですは誤り?
一般的によく言われていますが、全然という言葉には後に否定表現が付く事が多いです。
■ 全然+否定系
「全然おいしくない」
「全然食べたくない」
「全然可愛くない」
「全然勝てない」
「全然相手にされない」
といった感じでしょうか。上記3つについては特に違和感を感じる方も少ないかと思われます。
全然の後に否定的な表現を使う事で
まったく~ない。少しも~ないという強い否定の意味で使われるのが一般的です。
ではここで「全然大丈夫です」を分けるとならば
全然+肯定系
という形になり肯定の言葉が後に使われる事になります。これは一般的な使われ方としては違う形になります。
ただここでひとつ気になるのは
全然+否定形で使われる事が多いだけで全然+肯定系がダメなのか?
という事ですよね。もしダメであるならばここまで広まる事もないのでは?と思いさらに詳しく調べて見る事にしました。
時代の変遷で俗用として使われるように
という事で三省堂国語辞典やデジタル大辞泉など辞書などを確認してみましたが、
俗語として「非常に、とても」といった言葉があります。
この意味で利用するのであれば全然大丈夫ですという言葉は「とても、好ましい状態」という解釈にも捉える事が出来意味としては特に問題がないように感じますね。
過去にかの夏目漱石も全然を「全面的に」という意味で否定の意味を伴わず使っていたそうです。
が、昔から文部科学省の見解として「戦前から全然は否定表現を伴うと教育している」
という事もあり昔は否定で使われる事が一般的でした。ただ誤りであるという表現の記載はあるにはあるのですが、調べた結果真っ向に否定しているわけではありませんでした。
その結果俗語として「非常に、とても」といった言葉が使われるようになったのではないかと考えられます。要は
“好ましい表現かといわれたらそうではないが、間違っているとはいえない”
といった感じでしょう。
人によっては全然大丈夫ですって使い方としては絶対間違っている!という声を聞いた事もあるのですがそういったわけではなかったんですね。
ちなみに全然+肯定の言葉としては
- 全然OK
- 全然ありだよ
といった言葉も全然大丈夫と同じような扱われ方でしょうか。これらについても同様に昔は間違っているという意見が多かったのですが、現在は否定意見がありつつも市民権を得たのではないかなと捉えています。
全然大丈夫ですの適切な言葉は?
といった感じで間違っているかどうかの回答としては間違っているとはいえない。というのが個人的回答ですし多く調べた中でもこの意見が多かったです。
ただビジネスの時や目上の方などに
「全然大丈夫です。」
という言葉を使用すると不快に感じる(不適切に捉える)方も少なくともいるので注意が必要です。敬語が必要とされる場面ではあまり良いとは言えないんです。
では全然大丈夫を敬語が必要な立場の方に適切な言葉で置き換えるのですると
- お気遣いは無用です
- 全く問題ございません
- はい、大丈夫です
- こちらで構いません
- お気になさらずに
といった感じの言葉を使用します。
目上の方には問題ございません。ある程度ソフトな会話に対しては
「はい」といった後に肯定がつく言葉が良いでしょう。
なので状況に応じて全然大丈夫ですという言葉を言い換えて使用していきましょう。
汎用性の高さが使われる理由?
といった感じで全然大丈夫です状況に応じた適切な言い回しについて記載してきましたが、この言い回しを全部「全然、大丈夫です」
で返答する事が出来るんですよね。
この件についてはどこにも記載がなく完全に一個人の意見ではあるのですが、
質問の返しの際の汎用性の高さがよく使われている理由ではないだろうか?
と、考えています。とはいえあくまでこれは個人的見解ですので参考程度にしていただければと思います^ ^
まとめ
■ 全然という言葉は後に否定がつく言葉が一般的で教育されてきた。
■ ただし、肯定が後につく言葉が間違っているという記載は乏しく誤った使い方というわけではない。
■ ただ目上の方やビジネス上など敬語が必要な際は好ましい表現ではないので言い回しを変えた方が良い。
といった感じで全然大丈夫ですは間違いなのか?また言い換えで適切な言葉について紹介してきました。
改めて調べてみると思っていたよりは間違っている!という記載がなかったのは予想外でしたね。
とはいえ普段の会話程度に留めておいてビジネス上や目上の方に対しては言い換えて対応するようにしましょう。