溶連菌に感染すると病院で抗生物質が処方されます。
抗生物質にも色んな種類があるのですが、正しい飲み方を知っておかないと溶連菌が再発するだけでなく合併症を引き起こす可能性を持っています。
溶連菌の種類や服用期間。また飲み方についても確認しておきましょう。
溶連菌の症状について
溶連菌感染症とは、溶連菌という細菌が喉や皮膚に感染する病気です。年代かかわらず発症しますが、5~15歳の小児に最も多いのではないかと言われています。保育園・幼稚園・学校など集団の場での感染が多く、冬が発症のピークと言われています。
・好発期間 | 一年中ありますが、のどは12~3月 皮膚は7~9月 に多い傾向があります。 |
・潜伏期間 | 約2~3日です。 |
・出席停止期間
保育所・学校 等 |
高熱の期間は他人への感染力があります。しかし、抗生剤を24時間以上内服することによって、他人への感染力はなくなります。
※ただし合併症を予防するために、10~14日間は服用しなければなりません。 |
<症状>
・咽頭炎・扁桃腺炎 | 発熱(90%以上)・のどが痛い・のどが赤い・扁桃腺に白いものがつく |
・口蓋の点状紅斑・点状出欠班 | 口の中に赤い小さな点状の出欠班が認められる |
・イチゴ舌 | 舌の表面が、一言表面のようになることがあります。
(発病から2~4日目) |
・全身発疹 | 顔やからだ(特にわきの下・下腹部)に、発病から1~2日目に小さな赤い発疹が多数出現し、かゆみを伴うことも多いようです。 |
・皮膚落屑 | 他の症状が消えた後(5~6日以降)に手足の指先から皮が剥けてきます。 |
といった症状が起こります。
溶連菌感染症は、しっかり治療しておかないと再発や、合併症を引き起こす可能性がある病気です。溶連菌感染症に対して用いられる薬の種類と、正しい使用法を知り、正しく治療しましょう。
溶連菌の抗生物質の種類について
溶連菌感染症の薬は2つに分かれています。それは抗生物質と解熱鎮痛薬です。
抗生剤
症状や検査結果から溶連菌感染症が疑われた場合、抗生剤が処方されると思います。抗生剤は、菌を殺すための薬ですが、対象になる細菌により使い分けられています。
溶連菌感染症の第一選択薬は、ペニシリン系です。しかし、ペニシリン系の薬にアレルギーを持っていたり、効果がなかったりした場合、ほかの抗生物質を使用することもあります。
こちらでは、3つの溶連菌感染症に効く抗生剤を説明します。
ペニシリン系
ペニシリン系で主に処方される抗生剤は、「サワシリン(成分名:アモキシシリン)」という薬です。
溶連菌感染症だけでなく、ブドウ球菌・肺炎球菌などにも効果がある為、咽頭炎の他にも気管支炎・中耳炎になった際にも処方されることがあります。
※のど風邪・中耳炎などの様々な科で幅広く使われているペニシリン系抗生剤ですが、副作用やアレルギーには注意が必要です。
<副作用>
下痢・出血・身体のだるさ・むくみ
症状が出てきた場合、すぐに病院を受診し、医師の指示を仰ぎましょう。
<アレルギー>
蕁麻疹・呼吸器症状・顔や口周りの腫れ・血圧が下がり手足が冷える・意識障害
症状が出た場合、夜でも病院の受診をお勧めします。
マクロライド系
ペニシリンアレルギーによりペニシリン系が服用できない場合に、マクロライド系の抗生剤を使用することがあります。
「エリスロマイシン(成分名:エリスロマイシン)」という薬が一般的に処方されます。
マクロライド系は、ペニシリン系と同様に、ブドウ球菌・溶連菌・肺炎球菌・百日咳菌・他(マイコプラズマ属)にも効果があります。
<副作用>
この薬は、副作用があまりないと言われています。しかし、胃酸の影響を受けやすいため、吐き気・胃の痛み・下痢などの胃腸障害が起こることがあります。また、稀に、肝障害や腎障害・皮膚障害が起こることもあります。
※このような症状が出た場合、病院の受診をお勧めします。
<飲み合わせ>
この薬は、他の薬との飲み合わせによって副作用が出やすくなることがあります。なので、処方された時に説明をよく聞き注意する必要があります。
この他にも一緒に服用すると危険な薬がたくさんありますので、抗生剤を処方されるときは、お薬手帳を持参することをお勧めします。お薬手帳は、6か月以内に同じ薬局で処方してもらうと負担額が約10~40円軽くなります。
また、現在服用している薬や服用していた薬を確認することによって、飲み合わせの確認をすることができ、安全に処方することができます。
といったように処方した抗生物質によって副作用なども出たりします。処方された抗生物質を確認してどういった症状が出るかについて確認しておきましょう。
抗生物質の服用期間や正しい飲み方について
溶連菌に感染してしまった場合、抗生物質で対処します。しかし、抗生物質の飲み忘れや菌がいなくなる前に飲むのをやめてしまうと、溶連菌が体内に残ってしまい再発の可能性が高くなってしまいます。
再発を避けるためにも、服用期間や正しい飲み方についてしっかり確認しましょう。
服用期間
まず、最も抑えておくべきことは抗生物質の服用期間です。
薬を服用する際に、ありがちなことは「症状が落ち着いたから飲まなくても良いかな~・・・」等ですが、これは、菌を体内から0にするためには、してはいけないことなのです。
服用期間は、医師によって期間は違いますが、約1週間~10日ということが多いです。
飲み方
また、溶連菌感染症の場合でなくても、処方されたものについては全て飲み切るようにしましょう。
抗生物質の効果が早くでます。24時間程度で感染力はほとんどなくなり平均2~3日程度で解熱やのどの痛みがなくなり、皮膚の痒みや発疹は1週間で改善します。
ただし、体内の溶連菌は残っている事が多く症状が収まった時点で薬を飲むのをやめてしまうと再発する可能性があるんです。
※長引くと、腎炎・リウマチ熱・咽頭炎といった合併症を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
どんな病気も同じですが、医師から指示された服用期間や錠剤の数は、必ず服用し切るようにしましょう。
最後に
溶連菌の抗生物質の種類や服用期間について紹介してきました。
症状が治るとついつい抗生物質を飲むのを止めがちになりますが、飲むのを止めた結果症状をぶり返す可能性があります。
症状が治まっても、お薬(抗生物質)は最後まで飲み切りましょう。
1.溶連菌の症状や感染経路や予防法について
2.溶連菌の大人の症状や治療法について
3.溶連菌の子供の症状は?出席停止期間は何日?自然治癒はダメ?
4.溶連菌の発疹のかゆみはいつからいつまで?
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