腹痛が起こること自体はよくあります。ですが急性胃腸炎の場合は、痛みが休みなく続くため体力的にも精神的にも辛い状況に追い込まれます。
出来ることなら少しでも痛みを和らげたいところですね。今回は急性胃腸炎の主な症状、腹痛の持続期間、痛みを和らげる方法について説明します。
急性胃腸炎の主な症状について
発熱などの風邪症状
急性胃腸炎は発熱や倦怠感など風邪とよく似た症状が現れます。
なお急性胃腸炎はウイルスや細菌が原因による感染性胃腸炎の場合が多いですが、ノロウイルスなどウイルス性の胃腸炎の方が比較的高熱になりやすい傾向にあります。
ですが、細菌性の場合であったとしても高熱になる危険性はあるため注意が必要です。ただ発熱は免疫の力を発揮させるために体内で細菌やウイルスと戦う為に必要な事で無理に下げてしまうと力が発揮出来ず症状が長引く事があります。
そのため解熱剤で冷やすと対抗力や免疫力を上げる働きが弱まり、体内に侵入した病原体に対抗することが出来ず症状が長引いてしまいます。
なので熱は余程辛い時でない限り、解熱剤の服用は避けましょう。
腹痛
細菌性の方が腹痛が強い傾向にあり、ウイルス性は場合によっては腹痛を伴わないこともあります。
これはウイルス性感染性胃腸炎を発症すると胃腸が極度に弱ってしまうことが原因であり、上手く消化や吸収が出来ないためですその点、細菌性の場合は消化や吸収の機能は問題なく働いています。
そのため脳から排便を促す信号が出され、それによって強い痛みを伴います。
腹痛が起きている場合は腹痛が治まるまでは出来るだけ絶食を心がけ、食事を摂る場合は固形物の飲食は控えましょう。
お粥やうどん、ゼリー飲料など食べやすく腸に負担をかけないものを選ぶようにしましょう。
下痢
下痢だけではなく、場合によっては血便が出ることもあります。
チェック下痢止めなどを服用すれば一症状を和らぎますが決して治るわけではなく、効果が切れれば再び症状が現れます。さらに下痢を止めてしまうと体内の病原体を体外に排出することが出来ず、病気の治りを遅らせてしまいます。
そのため下痢止めは出来る限り服用せず、服用する場合は医師の指示に従いましょう。
脱水症状にも注意
なお、下痢は通常よりも多く水分が失われるため脱水症状を引き起こしやすいです。
水分補給の際は水分だけでなく、必要な栄養も補給出来るスポーツ飲料や経口補水液などが向いています。症状が出ている間は腸への刺激を少しでも抑えるため、飲食物は常温に戻してから口にしましょう。
嘔吐
血便と同じで、吐瀉物に血液が交じる場合は早急に医療機関を受診しましょう。
嘔吐も体内の病原体を体外へと排出するために引き起こされる症状のため、吐き気を我慢したり制吐剤などの服用は下痢止めと同様で出来る限り避けましょう。
なお、腸炎は胃の中が空の方が下痢や嘔吐が比較的楽な傾向にあります。吐き気が落ち着いたら必ずうがいをし、口内を清潔に保ちましょう。
嘔吐でも多量の水分が失われるため水分補給はこまめにするよう心がけましょう。
急性胃腸炎の腹痛の痛みを和らげる方法は?
主に夏に流行する細菌が原因による細菌性胃腸炎の方が腹痛を伴いやすいです。
冬に流行しやすいウイルス性胃腸炎は消化吸収など、腸の機能すべてが衰弱しているため腹痛を伴わないことが多いです。
人間の身体は排便を促す際、腸を動かすため脳から司令が送られます。急性胃腸炎の腹痛は腸が刺激されることで痛みが生じるのです。そのため、急性胃腸炎を発症した際は食事制限を行うのが基本です。
食物を口にすると消化吸収の機能が働き、排便を促すために腸が刺激されます。急性胃腸炎を発症した場合は腹痛などの症状が治まるまでは出来るだけ食事を控えましょう。
ですが下痢や嘔吐などで水分は失われていくため、脱水症状を防ぐためにも水分はこまめに補給しましょう。
食事制限の段階としては
- スポーツ飲料や経口補水液
- どうしても食事をしたい場合はお粥や、ゼリー飲料など腸に負担をかけないもの
から様子を見ていきます。
水分補給の際は水やお茶よりも、ミネラルや塩分などを含んだ経口補水液やスポーツ飲料が適しています。胃腸への負担を軽減するために常温に戻してから飲むようにしましょう。
なお、水分は少量を数回に分けて補給しましょう。一気に多量に飲むと胃腸に負担がかかって腹痛が悪化する恐れがあるので気をつけましょう。
下痢や腹痛、吐き気の症状が落ち着き熱も下がり始めたら少しずつ食事を戻していきましょう。ただし刺激の強い食べ物はこの時点でもNG
出来る限り腸の負担が少ないものを心がけ、一般食に戻るのは完治してからにしましょう。
急性胃腸炎の腹痛の痛みはいつまで続く?
腹痛の痛みが持続する期間は症状の重さによって変わります。
さらに、急性胃腸炎は症状が進行すると場合によっては腹膜炎を引き起こす可能性があります。
腹膜炎には症状に2種類のタイプがあり、腹膜の一部に炎症を起こす腹膜炎と腹膜全体に炎症を起こす腹膜炎があります。
腹痛全体に炎症を起こすタイプの腹膜炎は特に危険で、場合によっては緊急に手術が必要になることもあります。腹膜が炎症を起こすと腹部に非常に強い継続的な痛みが生じます。
急性胃腸炎が悪化して腹膜炎を引き起こした場合、腹部の痛みは急性胃腸炎の時の痛みよりはるかに強くなります。
1週間以上経過しても痛みが治まらない、痛みが強くなる、痛みが継続的な強い痛みに変わった場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
最後に
急性胃腸炎の症状や腹痛の痛みを和らげる方法について紹介してきました。
急性胃腸炎は非常に痛みを伴う事が多く食事もまともに取れないケースが多いでしょう。発熱がひどく下痢や嘔吐を繰り返すようであれば早いうちに病院に行くようにしましょう。