感染性胃腸炎の一種であるノロウイルス。
ノロウイルスは冬場に流行しやすいウイルス性の胃腸炎です。感染症の中でも感染力が強く、二次感染被害も大きい病気です。
というわけでノロウイルスの症状や感染経路、予防法について確認していきましょう。
目次
ノロウイルスの症状について
ノロウイルスに感染すると吐き気や嘔吐、下痢などの症状を伴います。
時には1日に何度も嘔吐や下痢になり脱水症状を起こす程辛い事もあります。ひとつずつ確認していきましょう。
発熱
感染症は熱を伴うことが多いですが、ウイルス性胃腸炎は細菌性胃腸炎に比べて高熱になりやすい傾向にあります。
ですが発熱は身体が免疫力を上げている時に起こるため、解熱剤や冷却シートなどで熱を下げてしまうと完治が遅くなってしまうので注意が必要です。
多少の熱であれば解熱剤の使用を控えるようにして、高熱の場合に冷却シートなどで落ち着かせるようにしましょう。
嘔吐
嘔吐は体内のウイルスを体外へ排出するために起こる症状の一つです。
ただここで頭に入れておきたい場合は吐き気は我慢してしまいがちですが、病気は体内のウイルスを排出することで治ります。出せないような状況を除いて吐き気は我慢しないようにしましょう。
制吐剤などで吐き気をコントロールするのも控えると良いです。
嘔吐後はうがいをして口の中を清潔に保つことで吐き気や不快感を軽減することが出来ます。なお、胃が空である方が胃腸への負担が少なく済むため完治が早いです。
すぐ食べてもまだ吐き気を催す事があるので症状が落ち着くまでは最低限の食事に抑えるようにすると良いでしょう。
下痢
ノロウイルスを発症すると水っぽい便が出ます。
緑色や白色の便が出ることも特徴です。下痢も嘔吐同様、体内のウイルスを排出するため起こります。
チェック下痢止めなどを服用して下痢を止めるとウイルスが体内で増殖していきます。つまり回復までに長引いてしまうのです。
なので出来る限り下痢止めなどの服用は出来るだけ避けましょう。どうしても止める必要のある場合のみ使用するようにしましょう。
下痢は通常時よりも多くの水分が体外へ排出されます。脱水症状を発症すると入院が必要になることもあるため、水分は少量を何回かに分けて胃腸に負担がかからないように配慮しながら補給します。
ノロウイルスの感染経路をチェック
牡蠣
牡蠣はノロウイルスの原因になる食べ物として有名ですが牡蠣は2種類あります。
夏が旬の岩牡蠣と冬が旬の真牡蠣です。
ノロは二枚貝に含まれていることが多く、真牡蠣以外にもしじみやほたて、タイラ貝や波貝、ムール貝や赤貝やホッキ貝に多く含まれています。
感染を拡大しない為に
ノロウイルスの感染力は非常に高く、数十個単位のウイルスで感染、発症してしまう程強力です。その為にも感染を拡大しないように注意が必要です。
食品による感染を防ぐためには生食を避け、加熱調理することが大切です。なお、ウイルスが付着した手で調理をすると食材にウイルスが付着して感染します。
ノロウイルスに感染している間は調理は控え、調理台や調理器具は必ず消毒しましょう。
ノロウイルスの感染経路は加熱が不十分な牡蠣を食することだけではなく、感染者の吐瀉物や便に触れることでも感染します。感染者の吐瀉物や便には多くのウイルスが潜んでいるため早めに処理しましょう。
吐瀉物の処理に用いた雑巾やタオルなど、洗わないまま乾いてしまうと空気中にウイルスが舞ってしまいます。
ノロウイルスは空気中に舞っているウイルスを吸い込むことでも感染するため、吐瀉物の処理に用いた雑巾や吐瀉物が付着した布団やカーペット、衣類は付着した吐瀉物が乾燥する前に洗濯と除菌をしましょう
ノロウイルスに感染した場合の治療法について
ノロウイルスは基本的に自宅での療養です。
乳幼児やお年寄りは抵抗力が低く重症化しやすいですが、そうでない場合は基本的に自宅での対処療法となります。
ノロウイルスは抗ウイルス薬がないため、食事や水分補給に気をつけながら治療していきます。下痢や嘔吐は体内のウイルスを排出するために起きるので、基本的には下痢止めや制吐剤などの投薬もありません。
ノロウイルスの治療では下痢や嘔吐が治まるまでは基本は食べないようにするのが基本です。
水分補給が重要
ですが下痢や嘔吐、発汗などで体内の水分が排出されるため水分補給が必要です。
水はお茶でも水分は補給出来ますが、スポーツ飲料や経口補水液は水分の他に塩分やミネラルなども補給することが出来ます。水分だけを摂取すると体内の塩分濃度が薄まり、乳幼児やお年寄りはけいれんなどの症状を引き起こすことがあります。
そのため、水分補給の際には塩分も摂取するとより良いでしょう。
なお、水分補給が出来ない状態であったり水分補給を怠って脱水症状を引き起こすと入院になることが多いため気をつけましょう。
食事は症状が落ち着き始めてから本格的に
固形物の摂取は下痢や嘔吐などの症状が治まってからにしましょう。
この際、刺激物や高脂質のもの、アルコールやカフェインなどは厳禁です。消化が悪いものは症状を悪化させてしまいます。
固形物を口にする時は柔らかく喉ごしの良いものから始めましょう。お粥やうどん、ゼリーやヨーグルトなどから始めると良いです。
栄養不足が気になる場合、野菜をよく煮込んだ野菜スープなどが適しています。
ノロウイルスの予防法について
ではノロウイルスに感染しないための予防法について確認していきましょう。
手洗い
手洗いは手や指に付着しているウイルスを除去するために一番大切な予防法です。こまめに手を洗い、洗う際には水洗いだけでなく石鹸や消毒をするとさらに効果が期待出来ます。
手の隅々までしっかり洗うようにしましょう。
マスクの着用
ノロウイルスはウイルスを吸い込むことでも感染します。
そのため人の多い場所に行く際、感染していない人はマスクを着用しましょう。すでに感染している場合でも周囲にウイルスを広めないため、これ以上体内にウイルスを取り込まないためにもマスクは重要です。
食品の加熱
ノロウイルスは毎年、加熱が不十分なままウイルスが付着した食品を食べることによって感染する例が多いです。
ノロウイルスは熱に弱いため、十分に加熱することによって牡蠣などの二枚貝も安心して食べることが出来ます。家庭で生の牡蠣を食べるのは出来る限り控えるようにしましょう。
キッチンや調理器具の消毒
調理台や調理器具は洗剤で洗った後消毒しましょう。調理台や調理器具の消毒には次亜塩素系消毒剤が適しています。
次亜塩素系消毒剤に浸した布で拭き取りますが、次亜塩素系消毒剤には金属類を錆びさせる性質があります。次亜塩素系消毒剤で消毒する場合、次亜塩素系消毒剤で拭き取った後にアルコールでの拭き取りや熱湯消毒などでの消毒をすると良いです。
汚物の処理
便や吐瀉物を処理する際、便や吐瀉物には直接触れないようにしましょう。ゴム手袋とマスクを着用し、直接触れず空気中に舞ったウイルスを吸い込まないようにすることが大切です。
使い捨てのビニールエプロンなどを着用すると処理の際に衣類が汚れにくくなります。吐瀉物を拭き取ったペーパータオルや処理に使用したゴム手袋などは袋に入れ、雑巾なども捨てて使い回さないようにしましょう。
床の消毒には次亜塩素系消毒剤が適しています。吐瀉物が付着した衣類は洗剤を入れた水で必ず下洗いしましょう。
薄めるのがめんどうな方に
別の記事でも紹介しましたが、薄めるのがめんどうに感じるという事はノロウイルスに有効な次亜塩素酸というのが販売されています。
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お値段はかかりますがその分薄める手間がない分楽なので、薄めるのがめんどうと考えている方は購入を検討してみても良いでしょう。
ノロウイルスに感染した場合出席停止になる?
感染力が強い感染症は基本的に学校保健安全法によって登園や登校を禁止され、出席停止の期間が設けられています。
ですがノロウイルスなど学校保健安全法に指定されていない感染症の場合は、園や学校が緊急措置として出席停止などの措置を取れることになっています。
指定されていないのにノロウイルスを感染した場合保育園などに行けない事があるのはこういった理由があるからなんですね。
そのためノロウイルスは園や学校が出席停止期間を設けていることが多く、その場合は園や学校の指示に従いましょう。
出席出来るのは症状が回復してから
ノロウイルスの出席停止期間の目安は嘔吐や下痢などの症状が回復してからとなります。
嘔吐や下痢などの症状があるうちは感染力が強く、二次感染を引き起こす恐れがあるため登園や登校は控えましょう。
なお、感染症であるノロウイルスは登園や登校する際には診断書が必要な場合が多いです。診断書は医師の診断を受けた後、有料で発行することが出来ます。
1500円~5000円が相場ですが値段は医療機関によって違うため、診断書を発行してもらう場合は足りないことがないように少し高めに見積もっておくと良いです。
園や学校によって必要かどうかは異なります。出席する前に必要かどうか一度確認しておいた方が良いでしょう。
大人が感染した場合いつから出勤すべき?
ノロウイルスは出勤についても法的な決まりはありません。
出勤については就業規則を確認し、その就業規則に従いましょう。もし出勤、外出する場合はマスクをし、手洗いとうがいをしましょう。
休みの扱いについて
休みの扱いは就業規則によって違います。そのため給与についてもさまざまです。
欠勤扱いになって給与が支払われない会社もあれば、有給扱いになり給与が支払われる会社もあります。
欠勤扱いになっても休業手当などが支払われる会社もありますが、大半の会社は欠勤扱いの場合は自己責任とし給与が支払われないので注意が必要です。
ノロウイルスが流行する時期になったら就業規則を確認しておくと良いでしょう。
なお、ノロウイルスを発症し休む時や休み明けで出勤する際に診断書が必要な会社があります。
休みの扱いと同様に診断書が必要かどうかも会社によって違います。ノロウイルスを発症した際は欠勤、出勤時に診断書が必要であるのかを確認しておきましょう。
最後に
ノロウイルスの症状や潜伏期間、感染経路や予防法について紹介してきました。
ノロウイルスは例年肌寒くなる11月頃から感染者が見られ例年多くの方が感染されています。
関連記事:ノロウイルス2016-2017の流行時期について感染しない為に予防をしっかりして、もし感染してしまった場合でも対処法を確認して症状が回復するまで自宅で療養するようにしましょう。