インフルエンザA型の特徴や感染期間、対処法について

熱

毎年、冬になるとニュースでも報道される程猛威を振るうインフルエンザ。

インフルエンザには新型インフルエンザとインフルエンザA型、インフルエンザB型とインフルエンザC型の4つの種類があります。

その中でも季節性インフルエンザと呼ばれているインフルエンザA型について特徴や感染期間、対処法について確認していきましょう。

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インフルエンザA型の主な症状と特徴について

発熱

ではインフルエンザA型の主な症状について確認していきましょう。

インフルエンザA型は1日~3日程の潜伏期間を経て発症します。

インフルエンザA型の主な症状は高熱、頭痛、咳やくしゃみ、喉の痛み、吐き気や嘔吐などです。

高熱

インフルエンザA型は38度~40度の高熱を伴います。

免疫力を上げるために発熱しているだけであるため、冷却シートや解熱剤の使用は出来るだけ避けましょう。

なお、幼い子供の場合は熱性けいれんを起こす可能性があります。幼い子供が発症した場合は熱性けいれんの対処法も覚えておくと良いです。

頭痛は高熱によって起きることが多いです。熱が下がれば自然と頭痛も治まるため、まずは熱を下げることを優先しましょう。

咳やくしゃみ、鼻水

咳やくしゃみ、鼻水はウイルスを体外に排出するために起こります。インフルエンザは飛沫でも感染するため、周囲に広めてしまうことがないようにマスクを着用しましょう。

鼻水が出る場合、外出時にはティッシュを持ち歩くと良いです。

2歳以下の子供は鼻をかむ力があまりないため、鼻水を吸引するためのチューブやポンプを購入すると良いです。

喉の痛み

喉が炎症を起こすと喉が痛みます。気管支にまで炎症が及ぶと気管支炎になります。

さらに肺に炎症が及んだりウイルスが肺に侵入すると肺炎を起こし、呼吸が浅くなったり胸に痛みを伴います。
肺炎を発症すると完治までに時間がかかるため注意が必要です。

インフルエンザは悪化すると肺炎だけでなく、インフルエンザ脳症などさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。特にインフルエンザ脳症は命に関わる病気のため、悪化を防ぐためにも早期治療は大切です。

嘔吐

嘔吐も身体がウイルスを拒絶し、ウイルスを体外に排出しようとするため起こります。基本的に吐き気止めなどは使用せず、我慢せずに吐き出すと良いです。

外出する際は中身が見えない色の袋を持ち歩くと良いでしょう。


といった事がインフルエンザA型の特徴になります。

インフルエンザA型は12月から流行し始め1~2月がピークとなります。ピークとなる前に予防接種を打ったり予防法についてしっかり確認しておきましょう。

インフルエンザA型の感染期間。症状はいつまで続く?

カレンダー 期間

発症してから症状が治まるまでの期間は治療方法や体質、感染したウイルスの種類によって個人差があります。

リレンザやタミフルといった抗ウイルス薬を正しい期間中に服用して安静にしていた場合、2~3日などで症状が落ち着いていきおよそ7日までには学校や仕事に行けるぐらいにはなるでしょう。

ただし咳やくしゃみに関しては長引く事が多く症状が出てから2週間ぐらいかかる事もあります。つまり完治までは1~2週間程度はかかると思ってよいでしょう。

まとめると

  • 高熱や頭痛などの全身の症状は数日~1週間程度
  • 咳やくしゃみなどの呼吸器は2週間程度かかる事も
  • 完治するまでには1~2週間ぐらいはかかる

上記でも説明しましたが個人差があります。なのであくまでこれぐらいはかかるという参考程度にしてください。

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自然治癒に関して

インフルエンザを自然治癒で治される方がいますが、自然治癒の場合や抗ウイルス薬を正しい期間中に服用出来なかった場合、10日間以上症状を引きずってしまいます。

ですが抗ウイルス薬を服用しない自然治癒の場合、高熱が5日間以上続いたり熱が下がらず微熱が続くことがあります。重症になる可能性もあるので自然治癒で治すのは控えしっかり薬を飲んで休むようにしましょう。

インフルエンザA型に有効な薬と飲み方について

薬

インフルエンザA型に有効な薬は主に4種類あります。

リレンザ(オフセル)

抗インフルエンザ薬として医療機関で処方する吸入薬です。インフルエンザA型、インフルエンザB型に効果があります。

リレンザは5歳以上で自分で吸入が出来る人に処方されます。

リレンザは予防薬としても効果的ですが、用途が治療か予防によって吸入量に違いがあります。予防のために服用する場合は5mgリブスター2個分の10mgを1日1回、付属の吸引器を用いて10日間服用します。

治療のために服用する場合は12時間の間隔を空けながら朝と夜の1日2回、1回につき5mgリブスター2個分の10mgを付属の吸引器を用いて5日間服用します。

1日2回服用する際は12時間空けるのが良いとされていますが、1回目の服用が17時以降の場合は夜中に起きて飲まなければいけなくなって身体へ負担がかかります。

1日2回飲まなければいけない場合で1回目の服用が17時以降になってしまった際は、夜の分の服用を控えて次の日から12時間を目安に間隔を空けて飲むようにしましょう。

タミフル(エンフルビル)

インフルエンザA型に効果がある錠剤薬です。インフルエンザで処方される薬としては一番有名ですね。

こちらは吸引が自分で出来ない人に処方されます。

今では吸入が出来る人にはリレンザを処方しますが、以前はインフルエンザにはタミフルを処方されていた程一般的な抗インフルエンザ薬です。

インフルエンザB型にも効果はありますが、インフルエンザA型に比べて効果は弱いです。

近年では「Aソ連型ウイルス」などタミフルの耐性を持ったウイルスも発生しているため、状況やウイルスの種類によってリレンザとタミフルを使い分ける医療機関が多いです。

リレンザ同様、タミフルも治療だけでなく予防にも効果があります。タミフルはカプセルタイプとドライシロップタイプの2つの種類があります。

服用する場合は予防の場合は1個75mgのカプセルを1日1回治療の場合は1日2回で10日間服用します。

毎日忘れずに日数分をしっかり飲むようにしましょう。(症状が落ち着いても処方された分は全部飲みきるようにする事)

イナビル

インフルエンザA型、インフルエンザB型に効果がある吸入薬です。重篤化を防ぐ効果があります。

特に解熱作用に優れ、個人差もありますが人によっては3日~4日で熱を下げることが出来ます。

治療薬だけでなく、予防薬としても効果を発揮します。

発症後48時間以内に吸入します。治療のために服用する場合で10歳以上の人は2本、10歳未満の人は1本吸入します。予防のために服用する場合は1日1本を2日間吸入します。

イナビルは1本で5日間程効果が持続します。1本吸入するだけで良いため手間がかからず、服用し忘れることがありません。

ですが上手く吸入出来なかった場合などにやり直すことが出来ません。

さらに副作用が現れた時にリレンザやタミフルのように投薬を中止することが出来ず、体内の薬剤を取り除くことが出来ないというデメリットがあります。

ラピアクタ

インフルエンザA型、インフルエンザB型に効果がある点滴薬です。

点滴を投与することで服用するため、吸入が出来ない乳幼児やお年寄り、何らかの理由で他の抗インフルエンザ薬を服用出来ない場合に使用されることが多いです。

リレンザやタミフルなどの吸入薬を服用するか、もしくはラピアクタを投与するかは基本的には医師の判断によります。

ラピアクタは1日1回、点滴を用いて300mgを15分以上かけて投与します。

基本的には1回の投与ですが、症状の重篤さによっては1回の量を600mgに増やしたり連日投与などの処置が行われます。

妊婦への安全性が確立していないことから妊娠中の場合は投与出来ません。なお、ラピアクタの成分は母乳に混入することから授乳中の投与も禁止されています。

授乳中にラピアクタを投与する場合は母乳での授乳が出来ないので注意が必要です。

といったようにインフルエンザ薬には上記のような種類があります。

処方するものは医療機関によって異なりますが、飲み方、使い方についてはしっかり確認しておきましょう。


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薬以外に感染した際に気をつけたい対処法をチェック

それでは薬以外に注意したい点について確認しておきましょう。

食事の内容

おかゆ

インフルエンザA型は、インフルエンザB型に比べて下痢の症状が現れることが少ないです。そのため基本的にはバランスの良い食事が大切になります。

野菜スープなどであれば豊富な栄養と水分を同時に摂ることが出来ます。食欲がない時でもなるべく食べるように心がけましょう。

食欲がない時はゼリーやプリンなどのどごしが良いものが良いです。果物などは水分が豊富で食べやすい上に栄養価が高いです。

水分補給

水分補給

熱があると汗をかくため、水分補給が重要になります。汗などで身体の水分は排出されるため、水分補給を怠ると脱水症状を引き起こしてしまう恐れがあります。

汗では水分と塩分、ミネラルが排出されるため、水やお茶よりも経口補水液やスポーツ飲料が好ましいです。ビタミンなどの栄養が不足しがちな場合は、多少であれば経口補水液やスポーツ飲料で補うことも出来ます。

マスクの着用

マスク

熱や咳が出ている時のマスクの着用は息苦しさを感じる人も多いですが、外出時や自分以外の人が同席している空間ではマスクを着用しましょう。もしマスクを外す場合は、自分だけの環境で外すように心がけましょう。

アルコール消毒をする

消毒

インフルエンザウイルスにはアルコールが有効です。

手洗いの際などに予防のためにアルコール消毒をしていても、感染するとアルコール消毒をしない人も多いです。ですがくしゃみや咳などで排出したウイルスを再度体内に取り込まないためにも、感染中もアルコール消毒は怠らないようにしましょう。

温度と湿度を安定させる

インフルエンザウイルスは低気温で乾燥している環境を好みます。

暖房がついている場所は高温ですが非常に空気が乾燥しやすく、インフルエンザウイルスが活発になります。ウイルスが活発になると体内で増殖しやすく症状が重篤になりやすいため、乾燥防止として加湿器などの設置が有効です。

インフルエンザに感染した際の出席停止期間について

では最後に感染した際の出席停止について確認しておきましょう。

学生、園児の場合

学校

学生がインフルエンザを発症した際は、学校保健安全法によって出席停止が義務付けられています。

学生の場合は「発症後5日経過、かつ解熱後2日経過」が出席停止期間として定められています。
園児の場合は「発症後5日経過、かつ解熱後3日経過」となります。

なお、発症の当日や解熱当日は経過日数には含まれません。経過日数は発症した翌日、解熱した翌日から数えます。

インフルエンザでの欠席は通常の欠席とは区別され、特別欠席という扱いになります。そのためインフルエンザで学校を欠席する際には、処方箋のコピーや診断書が必要になることがあります。

登校許可証については学校の規則によっても違うため、インフルエンザを発症したら確認する必要があります。

保護者の方はインフルエンザが流行する時期には、インフルエンザを発症して欠席や登校する際には何が必要なのかを確認しておきましょう。

社会人の場合

会社

社会人の場合はインフルエンザの種類によっては対応が違い、新型インフルエンザに感染した場合は感染症法に基づいて出勤停止となります。

ですが季節性インフルエンザの場合、法律では感染した際の就業制限はありません。

インフルエンザA型は季節性インフルエンザのため法律上は就業制限はありませんが、感染症であるため会社が就業規則で出勤停止の制限を設けている場合があります。

その場合、法律的に就業についての制限がなくても会社が提示している就業規則によって出勤停止となります。

出勤停止になった場合の期間は会社によって違いますが、大体の会社は学校保健安全法と同じく「発症後5日経過、かつ解熱後2日経過」の期間を設けている会社が多いです。

さらには休みの扱いも規則によって違いがあります。出勤停止が言い渡される、病欠扱いになる、有給消化を勧められるのが一般的です。

休みの扱いが違えば給与面でも違いが生まれます。休業手当が支給される会社もありますが、大抵は出勤停止期間中の給与は支払われない会社が多いです。就業規則について確認しておきましょう。

診断書の提出を求められる事も

出勤停止が明けて通勤する際には、本当に完治したことを確認するために診断書の提出を求めている会社があります。

診断書の提出が求められていない場合は不要ですが、診断書の提出が求められている会社は診断書がなければ通勤出来ないため注意が必要です。完治したことを証明する診断書は医療機関を受診し、診察を受けて完治していれば医師に頼んで発行してもらえます。

診断書の発行は有料で、医療機関によって値段は違いますが1500円~5000円程で発行してもらえます。

インフルエンザが流行する時期には休みの扱いや有給の有無、休業手当の有無や通勤時の診断書についても再度確認しておきましょう。

最後に

インフルエンザA型の症状や感染期間、対処法について紹介してきました。

例年12月以降になると感染者が増えてきます。感染しない為の予防法やもし感染してしまった場合の対処法などしっかり確認しておきましょう。

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