インフルエンザには大きく分けて新型インフルエンザ、A型インフルエンザ、B型インフルエンザ、C型インフルエンザと4つの種類があります。
・かつて存在したことがない新しいウイルスからなる新型インフルエンザ。
・毎年大流行する上に変異しやすいA型インフルエンザ、
・毎年流行するが変異しにくいB型インフルエンザ。
・変異しにくく症状が軽めの風邪とよく似ているC型インフルエンザ
の4つです。
今回はB型インフルエンザの症状や潜伏期間、完治までの期間について紹介していきます。
目次
インフルエンザB型の潜伏期間について
潜伏期間とはウイルスに感染してから本格的には症状が現れるまでの期間のことです。インフルエンザは感染症の中でも、この潜伏期間が特に短いのが特徴です。
新型インフルエンザは未知のウイルスであることもあってか1日~7日とウイルスによって潜伏期間に幅がありますが。
インフルエンザは潜伏期間中に初期症状が現れることがあり、短い時は24時間経たずに初期症状が現れ始めます。
初期症状について
インフルエンザB型の初期症状としては頭がぼーっとする、関節痛などが挙げられます。
ですが基本的には初期症状が現れないことが多いです。
さらにインフルエンザB型は初期症状の段階では熱の上がりも比較的緩やかな傾向がある為、初期症状だけでインフルエンザだと気がつくのは難しいです。
それに加えてインフルエンザB型が流行しやすいのは冬であることもあってか、風邪だと勘違いしてしまう人も多いです。
ですがインフルエンザは潜伏期間中も感染力があります。
インフルエンザB型に感染していることに気がつかないまま出歩くと学校や会社、家族や友人などにウイルスを広めてうつしてしまう可能性があります。周囲でインフルエンザが流行している時は特に注意し、風邪のような症状が現れたら早めに医療機関を受診しましょう。
また、自分は感染していなくても周囲に感染している人がいた場合はうつされてしまう可能性があります。
インフルエンザは潜伏期間中も感染力があるため、周囲に発症者がいなくてもインフルエンザが流行しやすいの秋の終わりから冬にかけてはこまめな手洗いやマスクの着用が大切です。
インフルエンザB型の主な症状や特徴について
インフルエンザB型の特徴は緩やかな性質で急速な変異がないことです。2月~3月にかけて流行しやすいです。
ですがインフルエンザB型に関しては体内に免疫を持っている人が多いため、重症化することがあまりない上にインフルエンザA型に比べて流行の規模は小さいです。
・発熱
・倦怠感
・寒気
・関節痛
といったインフルエンザ特有の特徴に加えて腹痛や下痢を伴う傾向が強いです。
またインフルエンザB型では37度~38度と熱が上がりにくいことが特徴です。熱の上がり方も緩やかで、ゆっくりと上がっていく傾向にあります。
水分補給を大切に
インフルエンザB型は下痢を起こすことが多く、下痢によって身体の水分が奪われるため、こまめな水分補給を心がけましょう。
下痢の症状がある場合は水やお茶も良いですが、経口補水液やスポーツ飲料などの方が適しています。汗では体内の水分や塩分の他にミネラルも排出されます。
経口補水液やスポーツ飲料であれば水分と塩分に加えてミネラルも補給出来る上に、ビタミンなどその他の栄養素も含まれています。対して水やお茶では経口補水液やスポーツ飲料に比べて塩分やミネラルが少ない上に、利尿作用が働いて体内の水分が塩分と共に尿として排出されてしまいます。
処方された薬は用量を守って正しく飲み、体力をつけるためにバランスの良い食事を心がけましょう。
下痢の症状がある場合、食事は野菜スープなど食物繊維が少なく消化の良いものにして少しずつ量を増やしましょう。うどんやお粥、ゼリーやヨーグルトなどが食べやすいです。
また、フルーツ缶詰もシロップがブドウ糖液から出来ているためおすすめです。食欲がない時は少しだけでも何か食べるようにしましょう。
風邪と間違えやすい傾向あり
インフルエンザB型は熱はあまりない、または出ない事もあるので風邪の症状と間違えやすい事もあります。(特に初期は)
ただ風邪と思って病院に行かず家で療養しているとなかなか治らず、腹痛や下痢といった症状が出て悪化していきます。特にB型の流行時期である2~3月は特に気をつけた方が良いでしょう。
ちょっとした風邪と思わず、流行時期は医療機関で見てもらう事をオススメします。
インフルエンザA型との違いは?
インフルエンザB型はインフルエンザA型と共に冬に流行する傾向にあります。
そのためどういった違いがあるのか分からない人も多いですが、それぞれ違いはあります。特徴を抑えておきましょう。
症状の違い
まずインフルエンザA型とインフルエンザB型では症状が少し違います。
インフルエンザA型は38度~39度の高熱と咳や喉の痛みなど気管系に症状が出やすいです。対してインフルエンザB型は熱は37度~38度程度、腹痛や下痢など消化器系に症状が出やすいです。
インフルエンザB型の流行時期で熱っぽくなくてもお腹の痛みなどを感じる場合は医療機関に行くようにしましょう。
流行時期の違い
インフルエンザA型もインフルエンザB型も共に冬であることに変わりはありません。
ですがインフルエンザA型は1~2月の低気温で空気が乾燥している時期に流行し、インフルエンザB型は一定の年数ごとに2月~3月に流行します。
インフルエンザB型は隔年で流行する傾向がありましたが、最近では毎年流行している事もあるので注意が必要です。
といったようにA型とB型で特徴が違います。B型は春先まで流行する事もあるので、暖かくなっても周りで感染している方がいるのであればしっかりマスクを着用するようにしましょう。
インフルエンザB型の感染力と感染経路について
インフルエンザB型は他の型同様とても感染力が高いです。それは感染経路が原因でもあります。
インフルエンザB型は主に3つの感染経路があります。
飛沫感染
飛沫感染は感染することが一番多い感染経路です。
感染者が咳やくしゃみをした際に飛び散った飛沫を口や鼻から吸い込むことによって感染するのが飛沫感染です。特に子供などは回りを気にせずくしゃみをする事で感染する事がありますので注意が必要です。
空気感染
ウイルスを含んだ飛沫は時間が経過するにつれて水分が蒸発します。
飛沫を吸い込むのではなく、空気中に舞っているウイルスを吸い込むことで感染するのが空気感染です。特にウイルスは乾燥している空間だと長時間浮遊することが出来ます。
インフルエンザは主に冬に流行しますが、これは空気が乾燥していてウイルスが長時間舞っていることによってそのウイルスを吸い込み感染する人が多いことが原因の一つです。
もし家族内で感染してしまった場合は空調や換気、マスクを着用するようにしましょう。
接触感染
ウイルスが付着した手などで口や粘膜に触れることで感染することを接触感染と呼びますが、接触感染には2つのパターンがあります。
ウイルスが付着した手などで口や粘膜に触れることによって感染する場合を直接接触感染、感染者が触れたドアノブなどに触れてウイルスが付着した手などで口や粘膜に触れて感染した場合を間接接触感染と呼びます。
咳やくしゃみをする際は口に手を添える人が多いと思います。
また、感染者が使用した食器を洗わずに使い回したり、感染者が口をつけた飲食物を食べ回したり飲み回したりすることでも感染します。
衣類や食器などは必ず洗い、食べ回しや飲み回しは避けるようにしましょう。
インフルエンザB型が完治するまでの期間はおおよそ何日?
インフルエンザB型はインフルエンザA型と比べ、体内のウイルスが死滅するまでの日数が長いです。
完治するには短くても5日~7日程度かかるとされています。
ウイルスが体内に存在している間は症状が治まっていても他人にうつしてしまう可能性があります。その為、出来る限り体内のウイルスが死滅するまで自宅で安静にして外出は避けるようにしましょう。
インフルエンザB型の対処法について
ではもし感染してしまった場合の対処法について確認していきましょう!
抗ウイルス薬の服用
インフルエンザに感染すると多くの人が医療機関を受診し、リレンザやタミフルといった抗ウイルス薬を処方してもらうと思います。
インフルエンザを治すには薬を飲みつつじっくり休む事が一番です。しっかり休んで体力回復に努めましょう。
抗ウイルス薬は発症から48時間以内に服用するとさらに効果が得られます。薬を飲みつつ栄養バランスの良い食事とこまめな水分補給を心がけましょう。
後は家で休みながら処方された薬を用量を守って飲むだけですが、家で休む時にもいくつかの注意点があります。
食事の内容
基本的にはバランスの良い食事を心がけて体力をつけることが重要になりますが、インフルエンザB型では下痢の症状が現れることが多いです。
下痢の症状が現れている場合は栄養よりも消化の良さを重視し、白身魚や緑黄色野菜や食物繊維や刺激が少ない果物などが適しています。
水分補給
上記でも紹介しましたが熱があると汗をかきやすいため、身体から水分と塩分、ミネラルが排出されます。さらに下痢の症状が現れていると下痢によってさらに水分が奪われます。
そのためインフルエンザB型では、他のタイプのインフルエンザに比べて水分補給が特に重要になってきます。
一気に多量の水分を補給すると胃腸に負担がかかり下痢がより悪化するため、水分補給は少量をこまめに摂るようにしましょう。
水分補給には経口補水液やスポーツ飲料が適しています。水やお茶でも構いませんが、経口補水液やスポーツ飲料の方が塩分やミネラルだけでなくビタミンなどの栄養も補給出来ます。
マスクの着用
インフルエンザは感染症です。
感染予防にマスクを着用することは大切ですが、発症中のマスクの着用も他人へ感染させてしまわないためにもマスクは着用するようにしましょう。
マスクは息苦しく感じることも多いですが、熱などで呼吸が上がっている時はなおさら苦しく感じます。ただマスクをしないと周りの方に感染させてしまう結果となりますのでちゃんとつけるようにしましょう。
アルコール消毒をする
手洗いとうがいも大事ではありますが、手洗いの後のアルコールでの消毒はさらに有効です。
インフルエンザウイルスはアルコールに非常に弱いです。これ以上ウイルスを体内に取り込まないためだけでなく、接触感染で他人に感染させてしまうことを防ぐためにもアルコール消毒は有効です。
またアルコール消毒だけでなく手洗いもしっかり行うようにしましょう。
温度と湿度を安定させる
インフルエンザウイルスは低温で乾燥している環境であればある程活発化します。さらには流行する時期が冬であるため、暖房がついている場所も多いです。
そのため環境が乾燥しやすいですが、部屋の乾燥を防ぐためにも加湿器などを設置しましょう。工夫してなるべく温度や湿度を一定に保つようにしましょう。
最後に
インフルエンザB型の症状や潜伏期間、完治までの期間などについて紹介しました。
冬に流行しやすいインフルエンザですが、B型が流行した場合春先まで流行する可能性もあります。
インフルエンザの情報を確認して感染しないように気をつけましょう。