乳幼児や若年層の人が発症することが多く、非定型肺炎とも呼ばれるマイコプラズマ肺炎。
数年に一度、大流行を起こす傾向にあるうつる肺炎なのですが、ここ最近は毎年感染しているように見受けられます。
今回はマイコプラズマ肺炎の症状、うつる期間、感染経路、予防法について説明します。
目次
マイコプラズマ肺炎とはどういった症状が出る?
マイコプラズマ肺炎は一見すると風邪と症状がよく似ています。
風邪だと思っていたらなかなか治らず、医療機関を受診したらマイコプラズマ肺炎だった、なんてことも。早期発見、早期治療のためにも症状を知っておくことは大切です。
発熱
マイコプラズマ肺炎は発熱を伴うことが多いです。
半数以上の人が38度以上の高熱が出る傾向にあります。それも少しずつ上がるのではなく、急に熱が上がる場合が多いです。
倦怠感
身体全体が怠く感じます。
倦怠感は発熱と同時に始まることが多いため風邪と勘違いしてしまいがちですが、発熱が38度以上の場合はマイコプラズマ肺炎の可能性があります。
空咳
発熱してから2日程度で痰の絡まない乾いた咳が出るようになることが多いです。特に夜間に酷くなる傾向にあり、眠りにくくなってしまう人が多いです。
咳は時間が経つにつれて酷くなり、数日経つと次第に痰の絡む咳に変わります。粘りのある痰や膿を含む痰が出ることが多く、血が混ざった痰が出た場合は医療機関を受診しましょう。
消化器症状
マイコプラズマ肺炎は消化器に症状が現れます。
主な症状は吐き気や嘔吐、下痢などです。ノロウイルスなどのウイルス性疾患は嘔吐や下痢などの消化器系に症状が現れやすいため、消化器系に症状が現れた場合は医療機関を受診しましょう。
胸痛
マイコプラズマ肺炎を患った人の中には胸の痛みを訴える人がいます。肺には神経が通っていないため痛みは感じません。
ですが肋骨と肺を隔てている胸膜には神経が通っています。
胸膜が炎症を起こすと痛みが生じます。そのため、肺炎で胸が痛む場合は胸膜に炎症が起こっている可能性があります。
マイコプラズマ肺炎がうつる期間は?
マイコプラズマ肺炎は潜伏期間中でも感染力があり、潜伏期間は長くて3週間程です。
特に発症の8日前~発症後2週間が一番感染力が強く、他の感染症などと比べても期間が長いです。
マイコプラズマ肺炎は病原体に感染しても症状が出ないことが多い病気の一つです。
さらに潜伏期間中の自覚症状もあまりないため、自分が感染していることに気が付きにくいです。潜伏期間中に検査をしても要請結果が出にくいため、感染していることに気が付かずに外出したりなどと流行しやすい所が非常に厄介です。
マイコプラズマ肺炎は若くて健康な人程発症しやすく、重症化しやすいです。特に6歳~12歳の子供が発症しやすい傾向にあります。
マイコプラズマが身体に入り込むと、異物を取り除くために身体の免疫が機能します。
この免疫機能は健康な人程過剰な働きを見せる傾向にあり、それによる強い炎症反応がマイコプラズマ肺炎を引き起こすのです。さらにマイコプラズマ肺炎では気管支が損傷する危険性があり、喘息の人は重症化しやすいので注意が必要です。
マイコプラズマの感染経路について
マイコプラズマ肺炎の感染経路は主に2つです。
飛沫感染
病原体に感染した人が咳やくしゃみをし、その飛沫を吸い込んだり飛沫に含まれる病原体が粘膜に付着することによって感染するのが飛沫感染です。
飛沫は会話中などでも飛ぶため、感染予防のためにマスクを着用すると良いです。飛沫は咳で3m、くしゃみで5mの広い範囲に飛散します。
咳やくしゃみをする際に口元を手で覆う人は多く、それによって病原体の飛散を防げます。ですが手で覆うと病原体は手に付着し、その手で人やものに触れることによって接触感染を招いてしまう恐れがあります。
咳やくしゃみの際に口元を抑えた手は洗って消毒用エタノールなどで消毒しましょう。
接触感染
皮膚や粘膜に病原体が付着する、病原体が付着している場所に触れることによって感染します。
なお、飲食物の食べ回しや飲み回しも感染の原因となります。食器は他人が使用したものはそのまま使わず、必ず洗ってから使用しましょう。
手洗いとうがいを心がけ、エタノールなどの消毒液で消毒するようにしましょう。
マイコプラズマ肺炎の予防法について
マスクの着用
マスクは多くの病気の予防法として有効です。マスクを使用する時は顔とマスクの間に隙間を作らないようにしましょう。隙間があるとその隙間から病原体が入り込んでしまいます。
さらにマスクの表面には病原体が付着しているため、マスクの表面には触らないようにしましょう。取り外しの時の時などは耳にかけるゴム部分を持つと良いです。
マスクで飛沫感染を防止しても、マスクの表面に触ることで手に病原体が付着すると接触感染を招いてしまう恐れがあります。
感染者に近寄らない
感染者の近くにいると、予防策を講じていても感染してしまう確率は高くなります。マイコプラズマ肺炎は病院では隔離されることもある程です。
なるべく感染者には近寄らず、距離を取るようにしましょう。
家族内で感染した場合は部屋を分け、必要以上は感染者がいる部屋には立ち入らないようにしましょう。
手洗いとうがい
予防においてもっとも重要であるのが手洗いとうがいです。何にも手を触れないということはほぼないため、知らず知らずのうちに手には病原体が付着しています。
手を洗う時は石鹸を使用し、指の間や爪の間などもしっかり洗いましょう。時計や指輪を外すことはもちろんですが、固形石鹸は病原体が付着しやすいため液体石鹸の方が予防に効果的です。
タオルの共用
手に付着した病原体を洗い流すために手を洗いますが、感染者とタオルを共用していては手洗いが意味を成しません。感染者と非感染者ではタオルなどは分けて使用しましょう。
なお、手を吹く時に使用するものはタオルよりもペーパータオルの方が清潔で効果的です。
消毒
水道がない場所では手が洗えません。
さらに水道はあっても、水が冷たいと冬などは特に手洗いが適当になってしまうことが多いです。そのため、手が洗えない場所では消毒が効果的です。
消毒は手を洗った後であればさらに効果を発揮します。マイコプラズマには消毒用エタノールが効果的です。
最後に
マイコプラズマ肺炎のうつる期間やうつさない為の対処法について紹介してきました。
流行する時は一気に流行するのがマイコプラズマ肺炎の特徴です。もし回りで感染している子が多い事を聞いた際はマスクの着用や手洗い、うがいの徹底など出来る所から始めていきましょう。